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アトツギの挑戦#11 豚脂の可能性は無限大!ワクワクをつくる肉屋

アトツギの挑戦#11 豚脂の可能性は無限大!ワクワクをつくる肉屋

筑後地域で新しいチャレンジを続けるアトツギ経営者をご紹介するこの企画。
今回は、福岡県みやま市にある食肉卸売業者の若き3代目にインタビューしました。
精肉・畜産に関わる業者を悩ませてきた「豚脂」の可能性に着目し、商品開発に取り組んでいます。

– プロフィール – 黒木 千佳さん(25歳)柳川市生まれ 大学時代にオーストラリアへ留学し、エコツーリズムや環境保全について学ぶ。 卒業後に家業である株式会社クロキに入社。 主に、広報や商品企画、オンラインショップの運営等を担当。

Q. 黒木さんとは1月に開催された「アトツギ甲子園」以来ですね。改めて、家業について教えてください。

元々、創業者(祖父)の父が地元鹿児島で牛を飼育していたんですね。
1代目(祖父)は、集団就職で福岡県内の肉屋で修行し、今の場所で自分のお店を開業。
2代目(父)の時、2007年に株式会社クロキになりまして、そこから卸だけじゃなく小売業を始めました。

 

うちの特徴としては、九州産の黒毛和牛と国産牛を一頭買いしてる点や、小ロットで400グラム という少ない量から卸すことができる点です。
肉の厚さなども、ご希望に沿って個別に対応させていただいています。
私が家業に入って、今4年目です。

 

Q 今、黒木さんが挑戦していることはどんなことでしょうか?

豚肉ができる過程で生じる「豚脂」を、有効活用する取り組みを進めています。

 

Q 具体的な内容やきっかけについて教えてください。

2年ほど前に取引先から「大量に豚脂を廃棄しているから、何か活用できないか」というご相談を受けました。そこで調べてみると、国内でも年間400トン以上※が廃棄されているという現状が分かったので、家業の中で何か取り組みたいと考えました。
まずは、豚脂を活用したスキンケア商品を作ろうと思っています。

 

元々豚脂は、石けんなど生活用品として使われていた過去があったそうで、中国とかでは漢方にも使われていたり・・・
現在も化粧品、医薬品の素材として認められている、すごく価値がある素材なんだということを知りました。
※データをもとに試算

 

Q 豚脂のスキンケア商品化は1月に開催された「アトツギ甲子園」でも発表されました。今、開発はどれくらいまで進んでいますか?販売の見通しがあれば教えてください。

漢方外用薬を参考に、顔に塗るオールインワンクリームや、豚脂が40%と高配合のハンドクリームの試作を進めています。現代の生活スタイルやニーズに沿ったものができればと思っています。
来年(2026年)の秋ごろには販売したいと考えています。

 

Q 商品化する上での課題や解決策などはありますか?

どうしても、「豚の脂」と聞いて「ニオイがするのでは」といったネガティブなイメージを持つ方も多いと思います。そこを払拭しつつ、豚脂が持つ本来の魅力を引き出していきたいです。
具体的には、(みやま市の特産品である)山川みかんの精油を中心にブレンドした香料にする予定です。
ここでも、本来であれば廃棄されるみかんの皮を使います。

 

Q 主原料といい香料といい、環境に対する配慮が全面に出ていますね。

小学生の時から地球温暖化や環境問題について関心があって、何か地球のためにやりたいという思いがありました。畜産が人間に食の幸せを届けている一方で、少なからず環境に負担をかけている面もあるので、こうした新しい商品開発を通して、「ワクワクを通じて、地球を思いやるきっかけ」を作れたらと考えています。

現在は、パッケージのデザインやテーマカラーも検討中とのこと。「貰って嬉しい、ワクワクするようなデザインにしたい」(黒木さん)

 

Q スキンケア以外にも、豚脂が活躍できそうな場面はありそうですね。

ゆくゆくは靴磨きワックス、防虫剤、アロマキャンドルなど、様々な日用品に活用したいと考えています。その過程で、ブランドに共感してくれるファンを増やしていきたいです。

 

Q チャレンジの幅が広がっていくと、一緒に取り組む仲間も必要になりそうですね。

絶賛募集しなきゃと思っています。新しいことをどんどん始めるので、意欲的に楽しんでくれる方がいいですね。そういった募集も少しずつ考えていきたいです。
結構キャパオーバー気味なので・・・(笑)

 

Q インスタグラムを拝見しましたが、豚脂以外にも新しい事業をスタートされたようですね。

この4月、地元の別の事業者さんからドレッシングの事業を譲り受けました。
引き継ぐだけではなく、早速「お肉屋さんが作ったゆず生姜ドレッシング」という新商品を開発しました。
肉を知り尽くした肉屋だからこそ生み出せるドレッシングを作っていく予定です。
こうした取り組みが、肉屋としての提案の幅を広げることにもつながると考えています。

ドレッシングは、クロキのオンラインショップでも販売スタート!

https://kuroki-butchershop.stores.jp/

今後も、肉屋として新たな可能性を追求する黒木さんの挑戦から目が離せません。

 

THE BUTCHER SHOP KUROKIというYouTubeチャンネルでは、黒木さんの日々の取り組みをご覧いただけます。

https://www.youtube.com/@thebutchershopkuroki/featured

株式会社クロキ

2025.04/24配信